博愛は家庭から始まるように、愛も家庭から始まる
-Love, like charity, begins at home
( *Charity begins at home は英語の諺です。)
2006年8月
バーバラ・ブレナン著
暴飲暴食や食生活の乱れを顧みる事なく健康を気にしない人がいる一方で、食生活に気を配り、適度な運動を心がけ、健康を維持する人もいます。その人達の違いとは一体、何なのでしょうか?
このような違いは、幼少期の子供たちの間にもよく見られることから、育ちや環境だけによるものではなさそうです。それよりももっと自分を愛おしむ事ができるか否かに関係しているようです。
自分自身を顧みない人は暴飲暴食する人とは限りません。自分は普通だと思っていても、欲や自尊心の喪失、悲観的な思考と葛藤している人がたくさんいます。
自分を愛おしむという事は全てのヒーリングの重要なポイントです。しかし自分を愛おしむ心を養う事は、決して簡単ではありません。なぜそんなに難しいのでしょうか?なぜ私たち全てが自然に自分自身を愛し、体を労り、健康維持に努める事ができないのでしょうか?
その原因の全ては幼少期に負った心の傷に関係しているのです。また自分が必要としている物事が満たされなかった時、どのように自分自身を顧みたかのかという、その方法に関係しているのです。私達の親が気付いたとしても、人生の中で多種多様にある傷を負う事を避けて通る事はできません。
幼少期に親からの愛を受ける事ができなかったり、注目をされなかったからといって、子供は母親や父親を責める事はありません。その代わり、子供は自分の事を愛を受けるに値しない、価値のない存在であると考えます。これは自尊心の喪失以外の何物でもありません。
こういった思い込みや自分へのイメージは3歳までに脳に刻み込まれ、放っておくと決して変わる事の無い意識として私達に付いてまわります。自分自身を愛おしむ事が困難になるだけではなく、自分のことを好きになれなかったり、拒絶したり、悲しい事に自己嫌悪に陥って、その状態に甘んじてしまう事がよくあります。
こういった思い込みやイメージは、私たちの日常生活や将来への夢や希望、更には心身の健康に悪影響を及ぼしかねません。
私たちの人生を通して経験する激しい心の痛みや繰り返される問題は、私達の創造性や意図の妨げとなるだけではなく、慢性的な病を引き起こす原因となります。だからこそ、最近インナーチャイルドのヒーリングなるものが、注目を浴びているのです。
自分自身を愛おしむことができず、自分の必要な物事を満たす事ができない事で、自分自身の体の健康管理を怠る事に拍車をかけます。
多くの人にとって、過去に負った心の傷を掘り返すのは、非常に辛く怖い事です。そしてその傷に触れないように、あたかも傷を負ってないかのように振る舞い続けようとします。ある人々は、スピリチュアル・バイパスと呼ばれる、その過程を飛ばす事をし、どうやら高い領域に辿り着いたと主張しているようです。
多くの人は他の人が必要としている物事を満たすことに力を注ぎ、他の人を世話する事で、自分自身が必要としている物事を拒絶します。少なくとも無私無欲という言葉の一般的な解釈を基にした場合、今日の社会ではこの無私無欲の美徳に関する本当の意味を誤って解釈しています。私利私欲の無い人は、まず他人を優先し、それ故に聖者の象徴かのように思われがちです。
自分自身を真に愛おしむことができず、自分のニーズを満たす事が出来ない人は、真の満足感や充足感を味わう事はできないのです。そういった人達は、日々何度となく自分自身を見くびったり、蔑ろにしています。
この事は、スピリチュアルな教えが唱えているだけではなく、心理学者も同様にちょっとしたわがままは、心にとってとても良い事だと言っています。満足感や充足感を求めた時、自分を愛おしむことは必要不可欠になってきます。完全に自分を愛せるようになった時、はじめて充足感を得る事ができるのです。これは幸せに満足のいく人生を歩んで行くための布石となるのです。自分を愛する事無く、本当の幸せを感じる事はできないのです。
この事を理解する為に、私たちは意志とは宇宙における創造的な力であるというこの世にはびこった信念に挑まなければいけません。事実、意志は力ではなく、神聖で細かく織りなされたテンプレートになっています。意志とは宇宙に流れる創造的な力から形成されて完全な形となります。そしてその創造的な力とは愛なのです。
人生の一瞬一瞬において、私たちの内側の深い処から自然に愛が湧き上がってきます。自分自身や他の人の内側に充足感を創り出そうとする時、私たちの存在のありとあらゆるところから愛が溢れ出してくることでしょう。
ここで問題になるのは、私達には愛が無いとか、愛する事ができないと思い込んでいる事です。このようにして、私達は、気付かない間に愛の創造的なプロセスを妨げているのです。私たちは何らかの形で、愛の流れの向きを変えたりまたは流れを完全に止めてしまったりしているのです。この事実を理解し何とかしようと思った時、私たちは自分を愛おしむ事の次へのステップを踏み出す事ができるようになります。
幼少期に負った心の傷を掘り下げる事は、深く辛いステップと言えます。しかしその事により、心の痛みを和らげるだけでなく、あなたが本来持っている創造的な意図やエネルギーを解放する事ができるのです。そして愛の創造的なエネルギーが体に入り込み、これまでの人生をあなたが望んでいた人生へと方向転換させていきます。この過程で、自然と自分を愛おしむ事を知っていくのです。
そして自分自身を拒絶し続けてきたこれまでの習慣を積極的に意識して変えていく必要があります。まずは、毎朝、毎晩15分程、あなたのペットや子供などに愛を感じる練習をします。そしてそこから自分自身にその愛を向けていきます。もしくは、この練習をしたいと思ったときはいつでも、時間に関わらず練習してみて下さい。自分自身を蔑んでいるような時は、それに気付き思いやりの心を自分に向けてやる事です。そして今さっき自分自身へ向けた蔑んだ言葉や態度は、真実ではないのだと心の中のネガティブな声に伝えるのです。(大抵が、本当に真実ではないのです!)そして、愛で満たされた自分自身を感じてみて下さい。
本当の自分が素晴らしい存在なのだと自分自身に感謝できるまでには、長い道のりを辿らなければいけません。しかしこの練習をすることで、全く新しい人生を歩みだす事ができるようになるのです。
